~重要伝統的建造物群保存地区~
蔵と塀、石垣と赤瓦の美しいまちなみ
橋立北前船主型の家々
橋立は「港町」ではなく、北前船の船主、船頭、船乗りが住む「船主集落」であるのが特徴です。
屋敷を囲む板塀、石垣、そして赤瓦。それらで構築された特徴的な橋立の家々は、茅葺き農家から進化した「橋立北前船主型」と呼ばれています。
平成17年、これらの建造物とまちなみを保存対象とした「船主集落」の種別として、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されました。
蔵と塀、石垣と赤い瓦の町
橋立は塀に囲まれた家が多く、塀と蔵や家の外壁には、船底に使われた船板が再利用されています。塩水や風に強く、また、フナクイムシ(貝の仲間、海中の木材を食べて穴をあける)の跡が残っているのも特徴です。
塀や囲みの石垣は頑丈で高価な笏谷石(福井県足羽山で採掘、濡れると緑色になる)を使用しています。
屋根の赤瓦は光沢のある釉薬瓦で雪や凍結に強く、美しい佇まいです(石州瓦の系統で北前船での交流により技術移入された)
知っていますか?
金沢武家屋敷に残る有名な野村邸は、
橋立から移築した建物です。
金沢市にある武家屋敷の野村邸。加賀藩の重臣であった野村伝兵衛信貞。その屋敷跡に移築されたのが橋立の豪商・久保彦兵衛の屋敷の一部です。
大聖寺藩主を招く「上段の間」と「謁見の間」が昭和初期に移築され、内部は格式を感じる上品な装飾、総檜造りの天井や江戸時代のギヤマン(ガラス)入り障子戸などで贅を凝らした造りです。